いたるがいった岩手のあちこち
震災から15年 未利用地を「地域の力」に
今月11日、鎮魂の祈りに包まれたこの日、
私はANN報道特別番組の中継で、大船渡市にある農業施設を訪ねました。
ここは復旧した市の浄化センターで使われていなかった土地。
その一角には大きいもので70センチほどに成長した4000匹ものチョウザメが泳ぎ、向かいには青々と茂るレタスの水耕ベッドが並んでいます。
実践されていたのは養殖と農業を組み合わせた「循環型農法・アクアポニックス」。
チョウザメの排泄物を肥料にしてレタスを育て、野菜が浄化した水をまたチョウザメの水槽に戻すという仕組みです。
2022年の稼働から4年。
今年ようやく出荷にこぎつけたという「キャビア」を初めて試食させていただきました。
外国産に比べて粒は小さめだそうですが、塩味が控えめでキャビア本来の濃厚な味わいが感じられておいしかったです。
何より印象的だったのは「ようやくここまで来ました!」と語る施設の皆さんの晴れやかな表情。
持続可能な農業技術によって、かつての未利用地が「雇用」と「地域活性化」につなげる拠点へと生まれ変わっている姿に胸が熱くなりました。
被災地における未利用地を有効活用し、新しい産業を育てる。
一粒一粒に込められた情熱が、大船渡市の確かな歩みを感じさせてくれました。

プロフィール
なかもり いたる
中森 至